こんにちは、ティーダです。
この記事では、中外製薬の各期決算を簡単にまとめた内容を随時追加しています。
この記事によって、中外製薬の動向を経時的に観察できます。
経時的に観察することで会社の将来も外挿出来るでしょう!
こちらの記事も参考にして下さい!
2022年12月期
- 売上高は1兆2599億円 (26.0%増) となり、初めて1兆円の大台!営業利益は26.4%増で6期連続の増収増益!
- 次期業績予想 (コアベース) は減収減益を見通す。売上高は1兆700億円 (8.4%減) で、営業利益は4150億円 (8.1%減)
- 国内はロナプリーブの政府納入が23年度以降はなし
- アクテムラが新型コロナ感染症関連の需要減
- ヘムライブラはロシュの在庫調整の影響で輸出抑制
- RAY121 (リサイクリング抗体技術:自己免疫疾患) 、ALPS12 (CD3/CD137/がん抗原の二重特異性抗体) 、CevostamabのPh1開始
- ガンテネルマブ (アルツハイマー) は開発中止
- クロバリマブの臨床試験結果
- 補体阻害剤による治療歴のない発作性夜間ヘモグロビン尿症 (PNH) を対象とした中国でのPh3試験で主要評価項目を達成!!2023年上期の承認見込み
- 補体阻害剤による治療歴のないPNHを対象としたPh3試験で主要評価項目を達成!!
- 既存のC5阻害剤から切り替えたPNH患者を対象としたPh3試験でも良好な結果!!
クロバリマブの試験結果が好調です!!
売上予想を1000~2000億円見込む素晴らしい自社創製品ですね!
また、2021年R&D説明会で紹介していたALPS12がPh1入りということで、自社創薬が順調な安心感がありますね。
新しい研究所も稼働開始ということで、今後も中外製薬の成長には大きな期待を感じます!
今期で国内売上高がナンバーワンになるそうです!ロシュとの提携が非常に上手くが機能しています。
投資家質疑への返答
- アクテムラのバイオシミラーについて、数社が2023年度に上市予定だが、2023年度業績にはまだ影響は小さい
- ネモリズマブについて、売上予想を出さなくなったのは開発に何か問題があったわけではなく、導出先会社が公開していないから
- クロバリマブについては、競合他社の臨床試験結果などを見ると確かにポテンシャルが低く見えるが、それは試験プロトコールなどの違いで、中外としては十分に対抗出来ると考えている
- ヘムライブラについては、売上はまだ上昇余地があると考えている。競合についても直近では大きな影響はなく、将来的にも大きな崩れは起きないと考えている。
- 中国におけるC5阻害抗体の市場性について、アストラゼネカ社のソリリスと競合するが、投与の利便性などでクロバリマブが勝っていると考えている
2022年9月期
- 好調な新製品とロシュ向け輸出等の伸長がROOIの減少を大幅に上回り、増収増益
- 国内売上 (ロナプリーブを除く) は、後発品や薬価改定影響を受ける中、新製品により増収
- 海外売上は、数量増加が輸出単価の低下を大きく上回り、大幅増収
- ロナプリーブは10月-12月に政府納入を控えている
- テセントリクの腎細胞がんへのアジュバント療法Ph3を中止
- NXT007 (血友病) のロシュへの導出
- DONQ52 (セリアック病) のPh1、エンスプリングの2疾患へのPh3、RG6330 (KRAS G12C阻害剤) /RG6433 (SHP2阻害剤) のPh1開始
今期臨床入りしたDONQ52 (セリアック病) はHLA-DQ2.5/グルテンペプチド複合体に対するバイスペシフィック抗体で、以下の様な特徴を持ちます。
- T細胞受容体とHLA-DQ2.5/グルテンペプチド複合体の結合を中和するT細胞活性化を阻害
- セリアック病の主要因となる全てのドミナントペプチドを含む25種類以上のグルテンペプチドに結合可能
2022年6月期
- 好調な新製品群とロナプリープによって、大幅な増収増益!!
- ロナプリープは603億円の売上
- 薬価改定の影響は、新製品群の成長で吸収
- 自社創薬・導出品ネモリズマブの結節性痒疹に対するPh3で主要評価項目を達成
- テセントリクが国内初のNSCLC 術後補助アジュバントの適応追加
- GYM329の、小児の脊髄性筋萎縮症 (SMA) に対する、SMA治療薬エブリスディとの併用Ph2/3試験
- ガザイバ (オビヌツズマブ) の、ループス腎炎に対する国内Ph3開始
- クロバリマブ (抗補体C5リサイクリング抗体) の、ループス腎炎に対する海外Ph1開始予定
相変わらず、全体的に好調な決算ですね!
ヘムライブラについては、現在7品目ほどの後期開発の競合品があり、投資家から多少心配されているところがあるようです。
2022年3月期
- ロナプリーブをはじめとする新製品やロシュ向け輸出等により、想定通り大幅な増収増益
ロナプリープは608億円分を政府に納入 - リサイクリング抗体技術について、アレクシオン社との訴訟和解金919億円を獲得
- バビースモ:nAMD/DMEに対する承認を取得
- RG6321 (PDS):新たな眼科領域開発品として、国内P1/2試験を開始
- 導出品ミチーガ®国内承認:アトピー性皮膚炎に伴うそう痒に対してマルホ社が承認を取得
- RG7992 (非アルコール性脂肪肝炎) は開発中止
- RG7828 /mosunetuzumab (濾胞性リンパ腫) は開発開始
コロナ特需も受けて順調な1Qになりました。
4半期で1870億円の営業利益は凄まじいですね!!
ロナプリーブについては3月末に政府と22年度の供給契約を結び、今期の売上高は2.6倍の1990億円となる見通しです。
しかし、オミクロン株との相性によってはキャンセルの可能性もありうる?
2021年12月期
- 2022年度の売上見通しは創業初の1兆円越えを計画 (1兆1500億円)
- Ph3試験は32試験を保有
- OWL833 (2型糖尿病) について、導出先のPh1bで良好な有効性と安全性を確認
- SKY59/クロバリマブについて、2021年10月からPh3開始 (ブロックバスター級)
- SRP-9001/RG6356 (デュシェンヌ型筋ジストロフィー) を導入契約締結
売上高や利益の成長に非常に勢いがあります。
さらに、後期開発品にもブロックバスター級が複数あり、パイプラインも約70プロジェクトあります。
正直全く欠点のない状態です。
来期は売上高で第一三共を抜いて、アステラス製薬も数年の中には抜かれる可能性が高いですね!
中分子医薬品で開発入りしたLUNA18がどうなるかは世界中が注目していると思います!
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