【製薬研究の最新トレンドについて行け】製薬研究の最先端を学べる良書まとめ (モダリティ編 7選)

製薬企業分析

こんにちは。ティーダです。

最近このような質問を数人からDMを受けました。

ティーダさんって、どうやって幅広く製薬研究の最新情報を入手しているのですか?

それに対して、私は基本的には、

書籍や最新論文を中心に、企業IR資料などからも興味が沸いたテーマを色々調べています!

と答えてました。

しかし、具体的な書籍等はあまり紹介していませんでした。

そこで、今回は私が読んだ製薬研究の最新トレンドを学ぶ入り口としてオススメする良書を紹介していきます!

基本的には羊土社さんが好きで、Kindleでよく実験医学を購入して読んでます。
(Kindle版が出版されたのがありがたい!)

今回紹介した書籍で、もし興味があったら、自己投資として買ってみてください!!
(安いものは2000円位なんで)

今回は大まかに

  • モダリティ部門 (第一回)
  • 最先端研究技術部門 (第二回)

に分けて紹介していきます!



モダリティ部門

今回の第一回では、薬のモダリティ」について最先端を学べる良書を紹介していきます。

ご存じの通り、特に近年はモダリティが多様化しており、低分子のみの創薬だけをやっている企業は少なくなってきました。

実際、各社パイプラインに登録されている開発品をモダリティ別にまとめると以下の様になります。
(2021年11月時点)

創薬モダリティ割合
内資10社:武田、大塚、アステラス、第一三共、エーザイ、大日本住友、田辺三菱、協和キリン、小野薬品、塩野義
外資10社:中外、ファイザー、ノバルティス、MSD、GSK、ヤンセン、サノフィ、アッヴィ、BMS、アストラゼネカ、アムジェン、ギリアド、リリー、BI、バイエル、ノボ

そうすると、「低分子」と「抗体」が開発品の大部分ですが、「細胞治療」や「遺伝子治療」、「核酸」も増えていることが分かります。

さらに、その傾向は外資製薬で顕著です。

今後、さらに内資製薬でも様々なモダリティに展開していく未来が考えられます。

そこで、それぞれのモダリティの最先端の創薬事情を学ぶための本を紹介していきます!

抗体医薬品

こちらは少し古い本ですが、現在の抗体医薬品で使用されている技術については、ほぼ全て載っていますし、抗体研究の起源から最先端創薬技術まで綺麗にまとまっている良書です。

主なトピック
  • 二重特異性抗体 (BiTE含む)
  • ADC (抗体-薬物複合体)
  • 一本鎖抗体 (scFv)
  • 人工抗体
  • 抗体生産技術

特に、中外製薬 (二重特異性抗体) と第一三共 (ADC) の抗体医薬品研究について触れられる数少ない良書です!

個人的には、中外製薬の二重特異性抗体を効率的に生産するための研究員のアイデアに最も感銘を受けました!

細胞療法

細胞療法は、海外では「ノバルティス」「ギリアド」が、国内では「アステラス製薬」「武田薬品」「第一三共」が注力している比較的新しいモダリティです。

「細胞療法」と、「再生医療」や「遺伝子治療」との違いをしっかり説明した上で、CAR-T療法を始めとした最先端の細胞医薬を解説している書籍です。

また、細胞療法が抱える課題や将来性について、商業的な面からも解説されているため、創薬現場で実用性のある知識が得られる内容です!

主なトピック
  • 免疫細胞ベース
    • CAR-T療法
    • 人工アジュバントベクター細胞
    • 他家Treg療法 etc…
  • 幹細胞ベース
    • iPS-NKT細胞
    • iPS-T細胞
    • iPS細胞由来血小板 etc…
  • 微生物やナノ構造体の利用
    • ガン治療用細菌
    • ファージ治療 etc…

現状は主に血液ガンに対してCAR-Tなどが使用されていますが、今後固形ガンに対しての展開などに注目ですね!

さらに、価格もどんどん下がっていくことで市場への浸透は進むと考えています!

少し長いですが、こちらの資料も非常に網羅的にまとまっています。
国の研究機構が調査した国内外の最先端の細胞医療に関するまとめです!

『デザイナー細胞』 ~再生・細胞医療・遺伝子治療の挑戦~|戦略提案・報告書|研究開発戦略センター(CRDS)

プロテインノックダウン

こちらは近年大きな注目を集め始めた創薬技術です。
企業としては「アステラス製薬」や「そーせいグループ」が研究を進めているようです!

プロテインノックダウンのメカニズム

化合物を利用して、細胞内の分解機構によって標的タンパク質を選択的に分解する

最も有名な「PROTAC」と呼ばれるE3リガーゼによる分解や、オートファジーによって分解を誘導する「AUTAC」という技術が報告されています。

この本では、歴史的なプロテインノックダウン技術の発見から、現在注目されている理由まで非常に分かりやすくまとめています。

正直、創薬の現場でも知っている人はまだ少ない新規技術なので、今から学べばまだ古参です!!

主なトピック
  • プロテインノックダウン技術の沿革と展望
  • PROTAC/SNIPER (E3リガーゼ利用)
  • AUTAC (オートファジー利用)
  • DUB阻害剤
  • タンパク質分解誘導技術を持つベンチャー動向

実はプロテインノックダウンは低分子化合物を用いています!

つまり、日本が昔から得意にしていたモダリティの応用なので、内資企業が取り組みやすいモダリティの一つなのではないでしょうか?

特に注目すべき利点は、
細胞内の約7割を占めるundruggableだった創薬ターゲットを狙って創薬が可能なため、今まで有望なことが分かっていても手が出せなかったターゲットを狙えるという点です!

核酸医薬

核酸医薬は、化学合成されたDNAやRNAといった天然および人工核酸からなる医薬品のことを指します。

アンチセンス、siRNA、CpGアジュバント、mRNAワクチン等が主な核酸医薬の種類です。

2021年8月時点で、15の核酸医薬品が承認されています。

内資企業としては、「第一三共」「日本新薬」が主に注力しています。。

個人的には、「核酸医薬」は幅広くて、それぞれのモダリティの特徴を完全は掴めていませんでした。

しかし、こちらの本では各モダリティごとに詳しく説明がされており、さらに、創薬面での研究方法や課題が分かりやすく書いてあります。

こちらを読めば、一通り現在の核酸医薬のこと網羅的に知れるという優れものです!

主なトピック
  • 核酸医薬の発展の歴史
  • 各モダリティの紹介
    • アンチセンス核酸
    • siRNA
    • アプタマー
    • mRNAワクチン etc…
  • 核酸医薬のDDS、体内動態、生産技術、修飾
  • 疾患別の開発品の現状

今後、分子標的薬として抗体医薬に並ぶモダリティとして注目される可能性のある核酸医薬を是非注目していきましょう!

遺伝子治療

遺伝子治療は基本的に「遺伝子を外から補充・付加する治療法」として考えられます。

代表的なのは、ウイルスベクターを用いた遺伝子導入や、体外で遺伝子導入した細胞を投与することが考えられます。

細胞療法と組み合わせて使用されることも多いので混同しがちです。

国内では、「アステラス製薬」や「第一三共」が注力している領域です。

個人的には、遺伝子治療は馴染みがないモダリティでした。

しかし、こちらの本では「遺伝子治療に使用される基盤技術」から、「実際の臨床での使われ方」と「それぞれのモダリティ」について非常に丁寧に解説されています。

主なトピック
  • 遺伝子治療の沿革と今後の展望
  • 遺伝子治療の基盤技術
    • AAVベクター
    • レンチウイルスベクター
  • 造血幹細胞遺伝子治療
  • AAVベクター遺伝子治療
  • 遺伝子改変T細胞療法
  • 腫瘍溶解ウイルス療法
  • 最新の臨床応用実例

近年国内外での承認が相次いでいる遺伝子治療について、全く知らないでは製薬研究員としては許されなくなってきています!

mRNAワクチン

現在最もホットなトピックであるmRNAワクチンについて、国内でもトップクラスの研究者であり、第一三共とmRNAワクチンの研究を進めている東大・石井健先生がまとめてくれています!

本書自体は、現行のmRNAワクチンに関する情報はそこまでなく、mRNAワクチンの「先の基礎研究」について紹介してくれているため、今後の創薬研究に非常に役立つ内容となってます!

主なトピック
  • mRNAワクチンの基礎
    • mRNAワクチンにおける修飾mRNA
    • mRNAワクチンのDDSを担うLNP
  • mRNAワクチンの翻訳速度の制御機構
  • mRNA配列の生体内での認識機構
  • mRNAの分解代謝の制御機構
  • ワクチン以外のmRNA医薬品の展望

正直これはしっかり自然免疫を理解している人でないとなかなか理解が難解な書籍です。。。。

逆に、既存のmRNAワクチンを超えるには最先端の免疫学の知識が必須であることがよく分かります!

免疫学の教科書片手に読んで見ましょう!

再生医療

iPS細胞や自家細胞を用いた再生医療は主に「大日本住友製薬」「協和キリン」が注力している領域です。
(協和キリンは最近撤退したようですが。。。)

本書では、一部は細胞医薬と被る点はありますが、基本的には疾患に関わる組織を外部から移植するような方法全般について解説されています。

実際の臨床でどのように再生医療が行われているのか、現在進行中の臨床試験は何があるのかを詳細に解説してくれています。

主なトピック
  • 体性幹細胞・体細胞を用いた細胞療法開発と臨床試験
    • 幹細胞移植
    • ヒト角膜内皮細胞移植
  • iPS/ES細胞を用いた細胞療法開発と臨床試験
    • 網膜疾患
    • パーキンソン病
    • 脊髄損傷
    • ガン etc…
  • 疾患特異的iPS細胞を用いた創薬と臨床試験
    • 骨格系統疾患
    • 内耳性難聴
    • 神経変性疾患
  • 今後の応用が期待される技術開発
    • ヒトオルガノイド
    • Organ-on-a-chip

現在、他家の細胞による再生医療は承認されてないです。
(以下のサイトに承認済み一覧あり)

承認情報 | 再生医療ポータル
再生医療ポータルの承認情報のページです。

しかし、現在数多くの他家再生医療の臨床試験が走っているため、どれか一つでも成功すれば一気に複数の再生医療が実現する可能性もあります!

流れに乗り遅れないように今のうちから学んでおきましょう!

再生医療自体は臓器の再生だけでなく、創薬研究自体においても活用されています。
それが、ヒトオルガノイドの再現Organ-on-a-chipです

未だマウスとヒトとの薬効の間には大きな乖離があり、それを埋めようとする革新的な取り組みです!
是非、本書でも紹介されている研究を見てみてください!

別冊医学のあゆみ 再生医療はどこまで進んだか 2021年[雑誌] | 長船 健二 |本 | 通販 | Amazon
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最後に

今回は私がオススメする創薬の最先端を知る入り口となる良書 (モダリティ部門) を紹介しました。

是非少しでも気に入ったらKindleでポチって見てください!

後悔はさせません!

次回は創薬研究における最先端技術について学べる良書を紹介するので待っていてください!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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