今回は
「バイオインフォマティシャンのレベル分け」と
「それぞれのレベルのバイオインフォマティシャンになるための勉強法」
について解説していきたいと思います!
バイオインフォマティシャンになりたいけど、具体的にどれくらいを目指したらいいかが分からない
バイオインフォマティシャンになるためにどんな勉強をすればいいか分からない
という方達必見の記事になります!
是非こちらで紹介している方法を活用してバイオインフォマティシャンになりましょう!
バイオインフォ勉強のはじめの1歩については以下の記事でもまとめているので是非読んでみてください
バイオインフォマティシャンのレベル分け
以下にバイオインフォマティシャンの習熟度に応じたレベルを記載しています!
ちなみに私はまだバイオインフォを初めて1年強ですが、Level 2の中級者位です!
自分の研究で毎日のようにバイオインフォを活用していればLevel 2までならすぐにいけます!
Level 0:修行中
このレベルは正確に言うとまだバイオインフォマティシャンではありません。
具体的なスキルの例は以下です。
- PCAやUMAPなどで表示されたデータを読み解くことが出来る
- 次世代シーケンサーやscRNA-seqのメカニズムがある程度理解出来ている
- 機械学習の教師あり、教師なし学習の意味が理解出来ている
このレベルは、近年のバイオ研究で必須とされる知識なので、どなたも勉強していく必要があると思います。
以下に紹介する動画などを見て学習を始めていきましょう!
Level 1:駆け出し
ここからがバイオインフォマティシャン初心者の始まりです。
ここで必要な具体的なスキルの例は以下です。
- Linux, Unix等のコマンドラインを用いてデータを扱える
- PythonやRなどのプログラミング言語の基本コマンドを一通り使える
- PCを環境設定して、ツールのチュートリアルを動かせる
- 教えてもらったツールについては自分でエラー対応をしながら動かせる
このレベルだと、ウェットの研究者が出来ないデータ解析が出来るようになるので、「バイオインフォをかじってます」と周りに言えます (笑)
しかし、このレベルになることがバイオインフォを始める時の最初の壁になります!
全く知識ゼロから独学で始めるとなると少し苦労すると思います。
Level 2:一人前
このレベルからが実践的なバイオインフォマティシャンです。
このレベルで求められるスキルの例は以下です。
- 自分の研究に必要なバイオインフォツールを探して、環境構築して使用し、結果を得られる
- Docker等の少し+αの環境構築ツールを使用できる
- 自分の研究分野で使用されている標準的なバイオインフォツールを大体知っている
- ツールの内部で動いているアルゴリズムをある程度理解している
ここまで来ると「私はバイオインフォマティクス出来ます」と名乗っても問題はないと思います。
しかし、このLevel 2は非常に熟練度の幅が広く、
「本当にアルゴリズムを理解してツールを使用している人」と、
「原理はよく分からないけどなんとなくツールを使えている人」
の差は大きいです。
Level 3:熟練
このレベルはウェットの研究をやっている人には非常に少ないです。
多くの人が情報系研究室出身だったり、IT企業での実務経験があったりする人です
このレベルで求められるスキルの例は以下の通りです。
- 自分の研究テーマでの課題を解決するための新規バイオインフォツールを開発できる
- 新たな分野についてもツールを開発して研究を進められる
- 統計的な知識等を用いて、高度なデータ解析が出来る
- データを解析した結果を分析・考察して、周りに共有できる
(すみません、このレベルの人が出来ることについては私自身もまだ勉強中です)
このレベルになると現代のDX化が進む社会では、非常に有用な人材になれます。
特に、ビックデータやAIなどの分野を扱えれば、各製薬企業からは引く手あまたですね!
それぞれのレベルになるには?
以下では各レベルのバイオインフォマティシャンになるために必要な勉強法などを解析していきます。
Level 0:修行中
このレベルはまず、論文を読んでいる時に出てきた見たことないFigureについてネット検索して理解していくことが大事です。
さらに、次世代シーケンサーやsingle cell RNA-seqについて、イルミナ社や10X社のYoutubeやWebページでかなり詳しく解説してくれているので是非ご覧ください
イルミナ社の「次世代シーケンスのチュートリアル動画集」
https://jp.illumina.com/science/technology/next-generation-sequencing/beginners/tutorials.html
イルミナ社の「ゲノム解析漫画 「ゲノムに夢中」」
https://jp.illumina.com/destination/comic/love-genome.html
10X Genomics社のシングルセルRNA-seq解析動画
Level 1:駆け出し
このレベルになるにはまずはこちらの書籍がオススメです。
この本ではPCの購入から、PCの環境構築、基本ツールの使い方、解析の小話まで全て完璧に網羅されています。
こちらの本一冊を一通り出来るようになればLevel 1は完璧です!
具体的な始め方や注意点は以下の記事にもまとめているので是非ご覧ください!
Level 2:一人前
このレベルは教科書だけを読んだだけではなかなか到達できません。
自分の研究テーマ等にからめて解析を実践する必要があります。
具体的には、
自分の取り組んでいる研究の類似研究で、バイオインフォツールを用いて解析している論文を見つけて、その解析手法を自分の研究テーマに適応してみましょう!
それだけで
- 研究テーマを設定する力
- 新しいツールをDLして環境構築する力
- 結果を出力する力
が培われます。
最初はチュートリアルがちゃんと用意されているツールを使いましょうね!
理解が進んできたら書籍を読んで勉強していくのも良いと思います。
個人的にオススメなのは以下の書籍です
Level 3:熟練
このレベルへの到達には、周りにLevel 3のバイオインフォマティシャンがいることが必須になってきます。
- 高度なプログラミングスキル・コーディング技術
- 解析アルゴリズムの構築
- 既存のツールにはない発想力
を獲得することが必要になってきます。
そして、Level 2までで習得したバイオインフォの知識を完全に理解することが最も近道です。
私自身もまだLevel 3に到達していないため、Level 3への勉強法の解説は難しいです。。。。
製薬企業で必要とされるレベルはどれくらい?
製薬企業で必要とされるレベルは部署や研究内容にもよりますが、
Level 2が生物系の研究者に必要なレベルです!
Level 3になるとドライ専門の研究グループに所属しているレベルになりますので、ウェットを主軸とするならそこまでは必要ないです。
世界中の優秀な研究者がツール開発してくれるので、それらを用いてどうやって自分の研究課題を解決するかを考えることが必要になります。
最後に
今回は「バイオインフォマティシャンのレベル分け」と「それぞれのレベルに到達するための勉強法」についてまとめてきました。
今まで通りのウェット研究者はウェットしか分からないでは、自動化やAI創薬に淘汰されていく未来が想像されます。
是非これから益々需要が高まるバイオインフォマティクス人材になりましょう!
私もLevel 2の上級に向けて勉強頑張ります!
最後も読んで頂きありがとうございました!
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