こんにちは、ティーダです。
この記事では、エーザイの各期決算を簡単にまとめた内容を随時追加しています。
この記事によって、エーザイの動向を経時的に観察できます。
経時的に観察することで会社の将来も外挿出来るでしょう!
2022年12月期
- 医薬品売上高は成長も、去年の契約一時金の関係で前年比では大幅減
- レンビマは36%増で1913億円
- 通期業績の見通しは、複数の戦略案件が計画通りに進んでいることから達成を見込む
- レケンビ (レカネマブ) は1/6にFDAから迅速承認を受けた
- FDAやCMS (Centers for Medicare & Medicaid Services) 等の偉い人たちからポジティブな反応
レケンビの話が色々8割でしたね。
現在は日米欧中で申請を行っていますが、申請プロセスや保険収載の関連、診断方法の整備など私が十分に理解出来ていない点が多いです。
しかし、最初にあったアデュカヌマブの二の舞になる懸念は一旦払拭されているように思えますね。
投資家質疑への返答
質問はレケンビに関することだけでした!
- レケンビの2030年の売上見込みは、アナリスト予想である4000~5000億円は小さい。早期フェーズや診断の簡便化、皮下製剤など様々な市場拡大可能性を持っている
- レケンビの中国での申請については、既にPh3試験の結果を提出している。来年度中の承認を目指す。日本の承認時期は、2023年度中頃の見込み。米国フル承認は、2023年夏になる可能性
- 1/18に米国でレケンビは発売されたが、予想を上回る迅速な立ち上がりが認められている
甲谷さんの質問とその回答が難しい笑
てか、レケンビの話が全体的に審査とかの話で難しい。。。
2022年9月期
- 前年期比91%の大幅減益。しかし、下期に巻き返す計画
- 「その他事業の売上高」に計上されるはずだった収入が下期にズレたこと、昨年のこの時期はBMSからの契約一時金496億円を受け取っていたことが原因
- さらに、レンビマ関連の販管費やレカネマブへの資金投入によって減益
- 医薬品の売上高は順調に進捗 (グローバルブランド4品は138%増)
- レカネマブについては、価値最大化に向けた複数試験が進行中
- 承認審査は現在も順調に進行中
2022年11月、ロシュのAβ抗体ガンテネルマブのPh3試験が失敗しました。
やはり、Aβ抗体だからといって全て成功する訳ではないようですね!エーザイの臨床試験のデザイン力などが素晴らしかったのでしょう!
今後のアルツハイマー関連の後続プロジェクトとしていつもの以下3製品が紹介されています
パッと資料を見ただけでは大幅減益の原因が分からないのが不親切ですね笑
2022年6月期
- 前年度にMORAb-202契約一時金を受け取っていたため、前年同期比では減収減益
- 医薬品事業自体は、レンビマを筆頭に23%成長で堅調
- レカネマブは迅速承認制度に基づく申請を米国FDAが受理
- Clarity AD (Ph3試験) は2022年9月予定のPrimary Endpointに向けて順調に進行中
- 新規のエーザイオリジナルのオレキシンアゴニスト E2086のPh1を2022年度内に開始予定
- MORAb-202はPh1において、すぐれた抗腫瘍効果と管理可能な安全性プロファイルを示した
- 中分子CBP/β-catenin阻害剤 (E7386) はキイトルーダ+E7386併用療法の用量同定パートを完了
- Protein degraderペイロードを有するADCや、スプライシングモジュレーターペイロードを有するADCを前臨床段階で検討中
レカネマブの非常に重要なPh3試験の結果が2022年9月に公開されます。
試験自体は順調で、結果も期待出来ますね!来月の公開に期待です!
また、エーザイのアルツハイマーに対する包括的パイプラインが紹介されていました。
さらに、がん領域でも期待出来る候補品が紹介されていました。
特にPROTACやスプライシングモジュレーターを結合させたADCについては、低分子とADC技術の療法に強みを持つエーザイならではのコンビネーションだと思います。
MORAb-202は自社で創製したADC製品で、新たなプラットフォーム技術を自社で創製して、既存の強みであった低分子技術と組み合わせたのは素晴らしいです!
2022年3月期
- レンビマが1923億円 (43.6%増) を中心に、グローバルブランドの伸長によって増収増益
- レンビマは、2022年度も2180億円を想定。小児適応試験も順調に進行中。
- 「メルクとのレンビマ関連受領金 (約350億円) 」と「BMSとのMORAb-202契約一時金 (約500億円) 」を獲得
- アデュカヌマブについて、エーザイの負担額上限を約400億円に設定を締結
- レカネマブ
- FDAの迅速承認申請を完了
- Clarity AD (301試験) にて、順調な進行と良好な安全性・有効性が期待するデータが出てきている
- 2022年度中に日米欧で承認申請を計画
- 新規CBP/β-catenin阻害剤 E7386のPoCを獲得 (Ph1b)
アデュカヌマブに振り回された1年でしたね。
しかし、レカネマブへの移行が非常に素早く、今年度中に日米欧に申請とは驚きます。
ガン領域の開発品も順調に進んでいるので今後が楽しみです!
2021年12月期
- MORAb-202による契約一時金 (496億円) が利益と売上に大きく上乗せ
- グローバル4製品 (レンビマ、ハラヴェン、フィコンバ、デエビゴ) の売上高が前年比519億円増加
- ADUHELM®のPh4を2022年5月から開始予定。主要評価完了は試験開始から4年後の見込み
- ADUHELM®の価格を約半分に引き下げ (2022年1月より)
- レカネマブ (抗Aβプロトフィブリル抗体) の段階的なFDAへの申請を進行中 (Ph2b試験)
2022年9月末までにPh3試験を完了予定 - MORAb-202 (抗FRα抗体-ADC) については、2022年Ph3試験開始を計画 (BMS共同開発)
ADUHELM®とレカネマブの抗Aβ抗体に関する話題が非常に重要になります。
現在、PMDAとは審議中ですし、欧州CHMPには一度はじかれて、再申請中です。
長年注力してきたアルツハイマー薬の行く末 (≒エーザイの将来) が近年中には決定するのでしょうか?
Ph4の試験結果を待たなければならないとしたら約5年間は売上が立たない予想になります。。。
また、MORAb-202は非常に有望な抗がん薬で、2026年に特許切れを迎えるレンビマの次のガン領域の柱に成長する可能性がある製品です。
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