【大手製薬との提携多数】ノイルイミューン・バイオテックの現状と将来性を徹底解説

バイオベンチャー分析

こんにちは、ティーダです。

今回は、最近複数の内資製薬企業との提携で注目されだしたノイルミューン社について、現状と将来性を解説していきます。

武田薬品、CAR-T細胞療法に参入―バイオベンチャーと研究開発で提携|DailyTopics | AnswersNews
武田薬品工業は9月4日、バイオベンチャーのノイルイミューン・バイオテック(東京都中央区)と、次世代型のキメラ抗原受容体発現T細胞療法(CAR-T細胞療法)に関する提携契約を結んだと発表した。ノイルイミューンの基盤技術…
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ノイルミューン社は細胞医薬に関するプラットフォームを持つベンチャーです。

CAR-Tを始めとする細胞医薬では、血液がんでは奏功しますが、固形がんに対して十分な効果を示す承認薬はまだありません。

当ブログでも、固形がんに効く細胞療法としてγδT細胞療法のプラットフォームを持つバイオベンチャーを紹介しています。

しかし、このノイルイミューン社の技術は別の角度の視点から固形がんを狙うための細胞療法を強化する戦略です。

注目され始めた新たな細胞療法技術について一緒に学んでいきましょう。



ノイルイミューン社とは?

同社は、山口大学の玉田耕治教授が2015年に設立した企業です。

玉田教授が開発したPRIME技術という細胞療法に関する技術を基に、「他社との協業・技術提供」「自社開発」を行っています。

また、ノイルイミューン社は2021年3月にシリーズCラウンドで約23億8000万円を調達しています。

上記の資金を使用して、リード候補品であるNIB-101の開発を進めていく計画です。

国内注目バイオベンチャーの一つとして選出されたり、メディアでもかなり取り上げられているようです!

コア技術:PRIME技術

サイトカインを搭載したCAR-T技術

ここでは、同社の基盤技術であるPRIME (Proliferation-inducing and migration-enhancing) 技術について紹介します。

PRIME技術とは?

IL-7とCCL19を産生させるよう遺伝子改変したCAR-T細胞技術で、固形がんへの効果が期待されます。

なぜ2つのサイトカインを導入しているのでしょうか?

  • IL-7:
    T細胞の増殖と生存を促進するサイトカイン
    通常のCAR-Tに比べて、IL-7によって、腫瘍内CAR-T細胞数の増加が認められています。
  • CCL19:
    腫瘍内に浸潤しているT細胞と樹状細胞の数の増加が認められています。
    (Adachi, K., et al. Nat Biotechnol 36, 346–351 (2018).に詳しく載ってます!
    https://www.nature.com/articles/nbt.4086#citeas)
ノイルイミューン社の発表資料から改変

そこまで突飛なことをやっているようには思えないですが、当時は革新的だったのでしょうか?

更なる発展:他家移植への応用

現在のPRIME技術では、患者自身のT細胞に遺伝子改変を行ってCAR-T細胞を作製します (自家細胞)。

しかし、自家ではコスト面や供給面でも手間がかかります。

そこで、大阪大学発のC4U社というCRISPR/Cas3 技術を持企業と組んで、他家CAR-T細胞の作製の検討を実施中です。

CRISPR/Cas9 同様に二本鎖 DNA を切断しますが、よりサイズの大きな欠失変異を導入することから、遺伝子ノックアウトに適しています。

また、gRNA 認識配列が長いことから、オフターゲット変異が少なく、より安全なゲノム編集ツールと言われています。

また、他家細胞の欠点である「患者の免疫で早めに取り除かれる可能性」も、PRIME技術では患者自身の免疫細胞を一度腫瘍内に呼び込むことが出来れば問題ないと考えているそうです。

協業パートナー

さらに、他にも複数の企業と提携して自社技術を進化させたり、開発品の創出等に取り組んでいます。

  • Adaptimmune Therapeutics:
    がん治療のTCR-T細胞療法におけるリーディングカンパニー
    PRIME技術をTCR-T細胞療法に応用する取り組みに共同で着手している
  • 澁谷工業株式会社:
    日本最大の包装システム製造企業
    CAR-T 細胞を大量に自動製造することが可能なシステムの開発を行います
  • 第一三共、中外製薬、武田薬品:
    PRIME技術を用いた共同研究やライセンス契約、候補品の開発など

パイプライン

現状の臨床に入っている開発品はPh1に3つです。

自社で実施しているNIB101と武田に導出したNIB102, NIB103があります。

全ての試験で固形がんを対象に試験が実施されています。

それぞれの臨床での結果はまだ分からないので、これ以上は何も言えませんね。

ノイルイミューン社の発表資料から改変

創業7年程度でこれだけ複数の技術開発と自社創出品が出来るのは、非常に成功している企業だと思います。

個人的な見解

特許的にどこまでカバーされているのか?

調べていて感じたのは、「サイトカインとかケモカインとか入れまくれば良くない?」「別のサイトカインとケモカインの組み合わせなら他社でも出来るんじゃない?」でした。

別にIL-7とCCL19以外にも、例えばCXCL9/10ならNK/CD8T細胞を誘導出来ますし、色々パターンはあると思います。

なぜ他社がわざわざのノイルイミューン社と組んでるんですかね?

特許上では、おそらくIL-7とCCL19の組み合わせしかカバーされていないので「特許上は弱いな〜」と思いました。

なにか特別なノウハウがあるのか?

使えそうなサイトカインを全部導入した「スーパーCAR-T細胞」の方が良さそうだけど??

PRIME技術以上のプラットフォーム構築は必須

現状はまだPRIM技術で一本足打法だと思います。

しかし、世界的に有名なベンチャーでは、1つの技術を起点に複数のプラットフォームを組み合わせて、より強硬なプラットフォームを構築している企業が多いです。

今後は、TCR-T細胞や細胞製造技術、他家移植などの技術にういて、提携や自社で創出していく必要がありますね!

もちろん既に順調に進めていますが。。。

最後に

今回は、今注目されている国内細胞療法のバイオベンチャー「ノイルイミューン社」を紹介しました。

今後Ph1試験結果も出てくると思うので、是非一緒に注視していきましょう

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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