【悩める学生必見】製薬企業研究者とアカデミア研究者のメリット・デメリット5選

製薬研究職の就活

こんにちは、ティーダです。

今回は、製薬企業研究員」と「アカデミア研究者」の違いと向き不向きについて考察していきます!

皆様の中にも、製薬企業の研究職になるのか、アカデミアで研究を続けるのか悩んでいる方は多いと思います。

それぞれでメリット・デメリットはあるけど、意外と整理はされてないよね

社会人として両方を経験している人も少ないですしね

私は、修士卒で製薬企業に入社し、しばらく企業で研究した後に、共同研究でアカデミアに数年所属した経験があります。

そのため、「製薬企業」と「アカデミア」のどちらの側面からも考察出来ると思います。

しかし、当方がバイオ系の研究者なので、少しバイオに偏った意見になっているのでご承知を!

本記事で分かること
  • 製薬企業とアカデミアの研究員の違い5点
  • 自分が製薬企業とアカデミアのどちらに向いているのか



企業とアカデミアの違い5選

ここでは企業とアカデミアの違いを5つ紹介します。

紹介する違いは以下の5点です。

  1. 研究の目的
  2. 研究費の獲得
  3. キャリア形成
  4. 給与
  5. メンタル

研究の目的

製薬企業
  • より多くの患者を救える薬を出す
  • 薬に繋がらない研究は推奨されにくい
アカデミア
  • よりインパクトの高い・画期的な発見をする
  • 自分の興味・好奇心をとことん突き詰められる

製薬企業は営利団体なので、最終的には「患者の健康にする製品」を出さなくてはなりません。

そのためには、自分が単に興味があるだけの研究というのは推奨はされないでしょう。

しかし、アカデミアでは薬に全く繋がらずとも、専門領域でまだ未知なことを発表すれば目的は達成です。

自分の興味を誰にも邪魔されず突き詰められます。

企業とアカデミアで最も大きな違いはこの点だと思います。

研究費の獲得

製薬企業
  • 研究進行に必要な資金は会社が用意
アカデミア
  • 自分で科研費などに応募し、獲得する

製薬企業では、基本的に研究費は会社が用意してくれます。

もちろん、必要な研究費を会社から引き出す努力は必要ですが、比較的ハードではないです。(新しい研究を立ち上げるときは大変かも。。。)

アカデミアでは、自ら獲りに行かない限りは基本的に研究費はゼロです。 (少しくらいは大学がくれたりするんですかね?)

なので、研究費を獲得するための「書類の書き方」や、「研究テーマの設定」など、色々気にかけることが多いですよね。

毎回の科研費獲得を難儀に感じる人は多いでしょう。

キャリア形成

製薬企業
  • 研究者のスペシャリストになる、管理職や他部署へ移動するなど、様々
  • ずっと研究していられない可能性も高い (他部署への異動など)
アカデミア
  • 教授になるか、なれないか
    • 教授になれたらかなり自由 (一城の主)
  • ポストがないと正規雇用の職員になれないこともある

企業では、「研究者として専門性を高めていく人」や、「マネージャーとして研究リソースを管理する人」「研究以外の部署で働く人など」、多種多様なキャリアを選択出来ます。

入社後も自分の興味で異動届などで、キャリア形成を選択出来る機会が得られるでしょう。

逆に、自分は研究職でいたくても年次が上がるに連れて、関連子会社や研究以外の部署へ異動を命じられる可能性もあります。

アカデミアでは、自分の研究室をもち (いわゆるPI) 、自分の城を築くことがゴールになります。

自分の城を築けば、一企業の社長のようなものなので、自分好みのルールを整備する自由なども獲得出来ます。

しかし、昔から言われていますが、国内の大学にポストが空いておらず、正規職員になれず、任期付き助教やポスドクになる方も多いです。

下記のリンク先では、2018年時点でのポスドクの平均年齢37.5歳と年々高齢になっていることが報告されています。

一度なってしまうと抜け出せない?! 今も深刻な「ポスドク問題」[転職Hacks]
ポスドクの就職事情を解説。任期付きという不安定な身分に置かれ、給与や社会保険など待遇の不十分さも指摘されるポスドク。ポスドク転職成功者のボリュームゾーンは30代前半。ITや製薬など一部の業界でポスドクの採用ニーズが高まり、国や大学も就職を後押し。

企業で社長になるのはほぼ無理なので、自分の城を築きたいならアカデミアはありかも?

給与

製薬企業
  • 一般的には高収入
  • 福利厚生も他業種に比べて手厚い
アカデミア
  • 国公立大学の場合は、給与が勤務年数などである程度決まっている
  • 教授になっても国公立なら800~1200万程度、私立なら1000~1300万円くらい

給与の面ではおそらく企業の方が待遇は良いでしょう

例えば、企業で課長クラスならば教授の年収程度は貰えるので、アカデミアは比較的頭打ちになる印象です。

また、企業では福利厚生で年間100万前後出る場合もあるので、若い時にも企業研究員の方が所得は多いでしょう。

名誉という点では、アカデミア方が成果が個人に帰属するので良いかも?

メンタル

製薬企業
  • 会社の倒産、リストラがない限りは雇用が安定するため心的ストレスは低い
  • 組織からの命令や人付き合いなどで、ストレスになる可能性あり
アカデミア
  • 特に若手は成果がないと任期が切れるので、雇用が安定せずプレッシャーは大きい
  • 付き合う人数も少ないため、人付き合いによるストレスは低い?
    • 逆にずっと同じ人と一緒にいるからストレスに感じる人も?

企業では雇用は比較的安心出来るので、心的ストレスはかかりにくいです。

しかし、社内での付き合いや、会社の歯車になるのが嫌な人にはストレスに感じるかも知れません。

逆に、アカデミアでは若手の間は任期もあるので、結果を出し続けないと、雇い止めになる可能性があります。

しかし、自分の研究に集中して比較的自由に出来る環境ではあるので、その点ではストレスは低いでしょう。

 



企業に向いている人 (個人的見解)

さて、5つの点から企業とアカデミアを比較してきました。

最終的に私が考える企業とアカデミアそれぞれに向いている人の特徴を独断と偏見で紹介しています。

  • 安定な雇用と高収入を求める人
  • 研究職だけに固執してない人
  • 完全に仕事第一じゃない人 (趣味も楽しみたい人)
  • 自分の研究を社会に役立てたい人
  • 複数人で研究するのが嫌じゃない人

ベンチャー企業の場合は当てはまらない可能性もあります

アカデミアに向いている人 (個人的見解)

  • 研究がとにかく大好きで、ストイックな人
  • 人付き合いが極端に苦手な人
  • 好きな研究を自由に突き詰めたい人
  • 自由な働き方が好きで縛られたくない人
  • 名誉・成果を自分だけで所有したい人

少し変わった人がアカデミアに多いのは納得出来る気がしますね笑

 



最後に

さて、今回は製薬企業とアカデミアの研究員のメリット・デメリットを紹介していきました。

私は、給与と雇用安定が必須で、仕事第一にもなれないので、企業を選択!
研究一本で生きていく自信も無かった笑

正直、最初はどちらかに入ってもいくらでももう一方へ移動できます。

実際に、どちらの業界でも「昔はアカデミア or 企業にいた」という方は多いです。

また、少し特殊ですが、企業によっては副業でアカデミア研究員になるという選択肢もあるそうです。

リアルの私の周りにはいませんが、すきとほるさんという方が勧めているキャリアになります。

【実体験で語る】アカデミア副業 6つのメリット
こんにちは、すきとほるです。    研究者であれば誰もが一度は考えるだろう選択肢、 「アカデミアで生きていくべきかどうか」    「アカ抜け」という言葉にはアカデミア生活のえもいわ

今回の内容で、皆さんの進路やキャリアを考えるきっかけになると幸いです。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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